J2得点ランクトップ。V・ファーレン長崎の永井龍って誰だ by フットボール速報

1 名前: YG防衛軍 ★@\(^o^)/ :2016/07/31(日) 21:31:53.60 ID:CAP_USER9.net

近年、J2での得点実績はストライカーの能力を裏づける、信頼性の高いデータになってきている。たかが2部リーグでの実績、と侮ることはできない。

 昨季J2得点王のジェイ(ジュビロ磐田)は、今季J1でもすでに8ゴールを記録。得点ランキングで言えば9位タイではあるが、彼の出場試合数がコンディションの問題もあって11試合に過ぎないことを考えると、相当な得点力だ。

 また、少し遡(さかのぼ)れば、佐藤寿人(サンフレッチェ広島)はJ2時代のベガルタ仙台で見せた決定力を買われて広島に移籍。後にJ1得点王にまでなっている。

 つまり、J2の得点ランキングというのは、いわば近い将来J1で活躍する可能性を秘めた、有望株の一覧表。決して軽視はできない、重要なリストなのである。

 そんな”ブレイク候補リスト”の中に今季、少々見慣れない名前があることに気づく。

 V・ファーレン長崎のFW永井龍(りょう)。過去、J1でわずか3ゴールしか決めていなかった25歳のFWが、J2リーグ第25節終了時点の現在、13ゴールを挙げ、堂々J2得点ランキングのトップに立っているのだ。

「プロになって、コンスタントに試合に出るようなったのは今季が初めて。セレッソではなかなか試合に出られず、”サッカー選手をしていない”感じやった。だから、今はサッカーをしていて楽しい。試合に出る喜びがあるというか、ここ数カ月の充実はハンパない」

そう語り、弾けるような笑顔を見せる永井は、セレッソ大阪の育成組織出身。2010年にトップ昇格して以来、2013年にAリーグ(オーストラリア)のパースへ、昨季も一時大分トリニータ(J2)へ期限付き移籍してはいるが、ほぼセレッソ一筋でプレーしてきた。

 しかし、トップ昇格後はレギュラーの壁が厚く、なかなか出場機会を得られない日々を過ごした。数字上の出場試合数はそれなりに増えていくものの、そのほとんどが交代出場。わずか5分や10分で結果を残すのは難しく、FWというポジションでありながら、プロ入り後は長らくゴールから遠ざかった。

 ようやくプロ初ゴールを挙げたのは、5年目の2014年のこと。当時を振り返り、永井が語る。

「たとえ短い時間であろうと、与えられた機会にゴールできない自分に不甲斐なさも感じていたが、心のどこかで『もっと試合に出られれば得点できる』という自信もあった。だから、コンスタントに試合に出られるところに行きたかった。それでも(得点を)取れなければ諦めがつくから」

 と同時に、「セレッソというブランドを”保険”にして、『試合に出られなくても仕方がない』と言い訳しているところもあった」と、自分の中にある甘さに危機感も覚えていた。

 はたして、永井は出場機会を求めて移籍を決断する。

長崎を選んだ理由は単純明快。どこよりも早く手を挙げてくれ、どこよりも熱心に誘ってくれたからだ。しかも、「移籍するならレンタルじゃないな、と思った」という永井は、セレッソという保険を残したままの期限付き移籍ではなく、長崎への完全移籍を選択。退路を断っての勝負に出た。

 新天地に移った永井は、まさに水を得た魚だった。

「キャンプのときから、J2との練習試合だけでなく、(浦和)レッズ相手にも点が取れていたので、『今年はちゃうかも』と思っていた」

 開幕戦のツエーゲン金沢戦から先発でピッチに立った永井は、そこでいきなりゴールを決めると、「何かをつかんだ感覚があった。そのときに『1シーズンフルに試合に出たら、結構取れるぞ』という自信が生まれた」。

 その自信があったからこそ、数試合得点から遠ざかり、足踏みすることがあっても、「引きずらず、すぐに気持ちを切り替えられた」という。順調に得点を積み上げてきた永井は、長崎のチーム総得点(28点)のおよそ半数をひとりで叩き出している。

 コンスタントにゴールを重ねることで、「プレーに余裕が出たし、プレーの幅が広がってきた」と語る永井。13点目となる第24節の水戸ホーリーホック戦でのゴール(相手DFが寄せてきているにもかかわらず、こぼれてきたボールをワンタッチで蹴り込んだ)を振り返り、「以前だったら、あんなタイミングで足が振れたかな」と、自身の変化に驚きの様子さえ見せる。
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