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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/09/01(木) 02:47:56.68
ID:/gnarOyx0
造花の付いた、緑色のベレー帽を頻りに被り直す少女の小さな背中を叩く。
不安に押しつぶされそうな少女の頬を掴んで、左右に引っ張る。
おでこを露出した少女に、笑顔、笑顔と声をかけ、自分の人差し指を口の端にそれぞれ当てる。
似合わないと言いたげな少女が、緊張と成人男性の歳不相応な態度に顔を歪ませるが、それでも構わずにポーズを崩さない。
少女の方が先に根負けしたのか、息を一つ大きく吐いて青年の顔を見上げる。
青年に向け、笑顔、だよねと確認するように呟いて、少女は自分なりの笑顔を作ろうとする。
お世辞にも、満点の笑顔とは言えない。それでも、彼女なりの精一杯で作った笑顔に対して青年は賛辞を述べて、少女の名前を言い、少女の背中を押して、ステージへと導く。
「――――――――――」
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