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モバPより後輩P宛て:2017/03/20(月) 13:08:00.04 :
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九月二十日
拝啓。
お手紙ありがとう。
そっちの事務所のみんなも元気そうでなにより。
この夏はよほどイベント出演に精を出したようだな。
凛や乃々の活躍はこっちのメディアでも十分すぎるくらい伝わって聞いている。
アイドルのみならず、お前もしっかり仕事が出来るようになったとみえて、俺は嬉しいぞ。
それにしてもいきなり手紙の束が送りつけられるとは、さすがの俺もびっくりした。
仕事から帰ってみたら自宅の郵便受けに只ならぬ気配を感じ、何事かと確認してみると、やはり只ならぬファンシー柄の封筒が三四本、ドアの小窓からにょきにょき生えているではないか。
独り暮らしの男のアパートに送るなら、もう少し考えて欲しかった。
「101号室の人、あんな好青年を装って少女趣味があったのね」なんてご近所で噂されたらどう責任を取ってくれる。
博学才穎にして眉目秀麗、この半年間コツコツ積み上げてきた如才なき美男子のイメージがパァだ。
まあ、それでお前を責めても仕方がないし、ここは中途半端に投函した郵便配達の兄ちゃんのせいということにしておく。
誰も書いていなかったが、この奥ゆかしい便箋と可愛らしい封筒は、おそらく乃々が選んだものなんだろう。
俺と社長が去ってから後、そっちの事務所では花ざかりの森さながらにアイドルたちが好き勝手過ごしているものと想像する。
そして俺の脳内ではアイドルたちに混じってお前までもがキャッキャと楽しんでいる様子まで見えてくるのだ。