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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/04/25(火) 23:13:56.18 :
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Pちゃん、と諸星きらりが声を掛けてきたのは、夜の七時のことだった。
「なんだ、まだいたのか……早く帰りなさい。今日くらい、家でゆっくりすべきだろう」
「うん。でも、ちょっとだけ。お話くらいならいいでしょお?」
彼女がそう言うのも理解できないわけではなかった。名残惜しさは他ならぬ自分自身も持っていた。
言葉を交わしたいと望んでいたのは、彼女だけではなかったということだ。
「……分かった。でも、本当に早めに切り上げよう。明日にも差し支えるんだから」
「うんっ。ありがと、Pちゃん」
彼女は屈託なく笑った。少女時代と変わらぬ笑顔だった。