<民進>11日の憲法審査会に応じず 首相答弁などに反発
毎日新聞 5/9(火) 21:35配信
民進党は9日、衆院憲法審査会の11日の開催に応じない方針を固めた。2020年の改正憲法施行を目指すとした安倍晋三首相の発言や、国会で内容を問われて 「新聞の熟読を」とした首相答弁などに反発したためだ。憲法審の武正公一野党筆頭幹事(民進)が9日、中谷元与党筆頭幹事(自民)に見送りの意向を伝えた。与野党の議論活性化を狙った首相発言だが、当面の国会論議の遅れを招いている。
武正氏は9日、中谷氏と国会内で2回会い、野党内で首相発言への批判が高まっているとして「こういう状況での開催は難しい」と伝えた。11日は憲法審の幹事懇談会開催にとどめ、首相発言の総括や今後の日程協議を行うことを提案し、中谷氏は持ち帰った。与党は事態沈静化のために見送りを容認するとみられる。11日には「国と地方のあり方」に関する各党の自由討議が予定されていたが、18日以降となる見通し。当初は4月13日に実施予定だったテーマだが、さらに遅れる。
首相は3日に憲法第9条改正や、20年の改正憲法の施行を目指す意向を表明。
野党は首相発言が、与野党が憲法審で重ねた議論を無視していることに反発を強めた。さらに、首相が8日の衆院予算委員会で「党総裁としての考え方は(自身がインタビューを受けた)読売新聞を熟読していただきたい」と答弁。民進党の蓮舫代表は9日の参院予算委員会で「首相と総裁の使い分けだ。国会を何だと思っているのか」と述べ、「新聞」発言の撤回を要求した。首相は「インタビューは総裁として答えた」と述べて応じず、逆に「民進党にも、具体的な提案を憲法審査会に提出して建設的な議論をしてほしい」と反論した。
民進の大串博志政調会長は記者会見で「国会では何も語らず『新聞を読め』とは常軌を逸した発言だ。撤回しないと、憲法審の議論が正常化すると思えない」と述べて態度を硬化させており、憲法審再開は見通せない。自民党の竹下亘国対委員長は9日の会見で「なかなか首相が思ったような日程感で進むとは正直考えづらい。党内で改めて議論しないといけないし、国会での議論が一番大事だ」と漏らした。【小田中大、真野敏幸】
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